イギリスで妊娠⑫イギリスNHS病院での出産

妊娠

妊娠中からいくつか記事を書いていましたが、このたび3月末に無事に第一子の娘を出産しました!
かなり時間が経ってしまったのですが、少しずつ思い出しながら当時の様子を書き残しておきたいと思います。
自分が後から見返すためでもあるので、少し冗長な記事になりそうです。

渦中の病院での出産

実は今、東ケント州にある出産を取り扱っている2つの病院が問題になっています。

East Kent maternity deaths: New mum recalls horror of birth – BBC News

劣悪な環境、ひどいスタッフたち、亡くなる必要のなかった赤ちゃんたち…散々な言われようです。

この地域の病院についてのレポートが出された際は、すでに妊娠&引っ越しを終えていたので変えるわけにもいかず…少し不安になりながらの出産でした。
(結果的には無事に出産&退院を終えています)

予定帝王切開

娘は最後の最後まで逆子だったので、予定帝王切開の予約をとっていました。
(逆子を回す外回転術についての記事はこちら
イギリスでは、病院、助産師病棟、自宅等出産場所を選択することができますが、渡しの場合は必然的に病院です。

外回転術に失敗した日に予定日を予約、病院側からメールで何日の何時に来てねという案内がありました。
私が予約した病院では午前に4スロットほど予約枠があるようで、当日早朝に到着してから9~12時くらいの間のいつかになるようでした。

帝王切開ですが、簡単な手術すらやったことがなかったのでやるまではとても怖かったです🥲

突然の破水

外回転術から4日、予定帝王切開の予約日の2日前。
15時におしるしのようなものが出てきました。あれ…?これは……?まさかね……?と思いながらも他に異変はなかったので、とりあえず入院バッグの最終整理をしました。
今から思い返すとなんとなく背中も痛く、兆候はありました…普段から腰痛があるので気の所為だと思いました(笑)

その日は夫が珍しく夜遅くまで勤務する日。
お願いだから今日は産まれないでねとお腹の子に懇願していました😂
一応夫に連絡して、陣痛が始まったら病院に連絡しようということにしていましたが、22時前に夫が無事に帰宅。
結局何事もなかったねー大丈夫だったねーお願い聞いてくれたねーと言いつつ、ベッドに敷いてあるマタニティーパッドを再確認しながら就寝しました。

0時過ぎ、背中に温かい感覚がして目が覚め、飛び起きました。破水!してるじゃん!笑
夫を(文字通り)叩き起こし、破水!した!と騒ぎ、ふたりとも困惑の中、夫が病院に電話してくれました。
「今日は産まれないで」というお願いを守って、次の日に入ってすぐに出てこようとする娘…😂

普通は陣痛が来ていても子宮口が十分に開いていなければ一旦帰宅しろと言われるそうなのですが、逆子で予定帝王切開なので、すぐ来ていいよと言われ慌てて身支度をしました。
ずっと水が出てきてるのであまり動けず主に夫が準備してくれ、私は呑気に家族に連絡したり、友人に「🐚」を送ってましたw(陣痛来たらツイートしたりする絵文字らしいですね!陣痛じゃなかったけど、帝王切開だしここを逃すと使えないと思ってw)

なぜだかわからないのですが、私は意外にもずっと落ち着いていて、夫のほうがオタオタしていました。入院バッグに追加して入れるものの指示などを出していました。
「おにぎり入れた!?」っていうのは必死で訴えました😂
(病院食、少ないし夫の分は出ないから本当に準備して行っててよかったです)

病院に向かう車の中でも、私意外と大丈夫だわーすごくない?って言ってたのを覚えています(笑)
他にも、当初の帝王切開予約日だったら過去の天才偉人たちだらけの日なのにとか、親になれる心の準備大丈夫?とかそんなことを話していたと思います。
ちなみに車の中でも破水は続いていたので、バスタオルを敷いて座っていました。

病院に到着

午前1時半に病院に到着しすぐに採尿。正直でたのが羊水なのか尿なのかもわからない状態(笑)
その後個室には移されましたが、ゆっくりな進行でした(笑)
破水はずっと続いていて、私は個室内の椅子的なやつがびちょびちょにならないか心配してました。
家からずっとマタニティーパッドをつけてましたがすぐにダメになってしまい、予備は全て入院バッグの中。でかいからと車に置いてきたことを後悔しました😂

採尿の結果羊水が出てきてるのを確実に確認、血液検査とNST的な機械を繋がれました。
あと子宮口も確認してもらったと思います。
今日このまま出産になるねとのこと。深夜だったので、病院の通常の時間内の朝になったら帝王切開をしようかということになりました。
点滴用の針?もこの際に前もって入れてくれました。

それからここで手術着(背中が開いているやつ)に着替えました。

ちなみにここでされた血液検査は大失敗をされ、肘の内側は今までにないくらいに腫れ上がりましたw
点滴用の針も結構痛かったのに一度失敗されて2箇所に…😭

分娩室に移動

このへんから記憶も時間もおぼろげになっていきます…すみません。
あと助産師さん、看護師、医師、みんな自己紹介をしてくれてますが誰が誰かよく覚えてなかったりします(笑)

しばらくは産前産後の病棟にいましたが、いろいろ検査が終わりなぜか廊下を挟んで別病棟になっている分娩室に歩いて移動しました。そこで帝王切開の時間まで待つようです。
後ろが開いている手術着で歩くのが恥ずかしかったのを覚えています(笑)

ここでもNST的な機械を繋ぎ、陣痛と胎児の状態を常に確認しつつ待っていました。
途中何度か助産師さんや看護師、この後手術をしてくれる医師が顔を見せてくれました。

ここは個室になっていて、パートナーが休めるようにベッドのようにもなるカウチも置いてあります。
今のうちに休んでおいてと言われたものの、なぜか空調?がずっとうるさくてしかも私の寝かされているベッド(分娩台ですが笑)もずっと小刻みに揺れている…寝れない…。
様子を見に来た助産師さんに聞くも、仕方ないとのことでした…(笑)

そうこうしているうちに、微妙にお腹や背中に痛みを感じるようになり、これは…もしかして…陣痛…?と思い機器を見ると確かに反応してる。
助産師さんに陣痛が始まったことを伝え、それなら朝イチ(おそらくシフトの切り替わり後)に帝王切開しようとなりました。
モルヒネとパラセタモールをもらいました。

ただ、陣痛がどんどん強まっていくんです。徐々に微妙に声を出さないとしんどいくらいになった頃、顔を見せてくれた助産師さんが子宮口を見てくれたら、2cm開いていると。

じゃあもう朝を待たずに順番が来次第、帝王切開しちゃおうね~ということになりました。
2cmでも陣痛結構しんどかったので、自然分娩の人は本当にすごい…😭

手術室(シアター)へ

分娩室からベッドごと運ばれ手術室へ。ただ手術台へは自分で登った気がするから意味あるのかな?(笑)夫も立会いができました。

結構明るい部屋で、何人もの人がいて私達が入ったときには麻酔科医さん選曲の音楽が流れてました。
(他の人がお前のゴミみたいな音楽止めろよ~みたいなキツめのジョーク言ってたのが印象的でよく覚えてます😂)
好きな音楽流せるけどどうする?と言われ、せっかく用意してきたのだからと自分のプレイリストを流させてもらいました(これ妊婦脳で選んだ今なら笑い話な選曲リストですw)

NCTのクラスで事前に手術室にはこれだけ沢山の人がいるからね、驚かないでね、大丈夫だからねと言われてましたが、本当に多くてちょっとびびりましたw

主に麻酔科医さんが横に立ってくれて流れや経過を説明してくれます。
私の担当の麻酔科医さんはラテン系の明るい若い男性で、リラックスして過ごせました😊

まず手術台に座っていろいろな管を繋いで、そこから背中を丸めて力を抜いた姿勢で麻酔を入れていきます。よく言う背中が冷たくなるというやつですね。
そこから麻酔の効きを冷たいものを当てて、身体の下から上へ確認していってくれますが、結構早い段階で感じなくなるんですね。

お腹のあたりに手術の様子が見えないように布で仕切りをしてくれました。
そこからはもう自分からは何も見えないので、横で手を握ってくれてる夫と、反対で様子を見てくれている麻酔科医さんのたまの実況を聞きつつ待ってました。

が、気づいたら始まってて気づいたら娘が出てきてた感じでした😂
麻酔が効いてからはあっという間でした。

「もう出てくるよ」と言われて、すぐに小さな泣き声が聞こえて「わー出てきたんだぁ」っていう(笑)
一旦仕切りを降ろして、執刀医さんが抱いた我が子を見せてくれました。夫が必死に写真撮ってましたね😂

そこからへその緒を切ったり少しきれいにしてくれたあと、すぐに抱かせてくれてSkin to skinの時間。多分このときにはもうお腹の縫合をしてくれてたと思います。
麻酔科医さんが家族3人の初めての写真を撮ってくれました。
正直誰一人きれいな状態ではないのですが、自分自身がそのときは麻酔もあってぼーっとしていたので、見返せれる写真があってよかったです。

その後夫が娘の体重など測ったり?に少し離れていき、そのうちに私の縫合も終わり、別室に移動になりました。
そういえばいつからつけてたのか記憶があやふやなのですが、たぶん手術前から点滴をしてました😂
別室で入院用の部屋の準備を待って、その後入院病棟へ移動になりました。
このとき結構寒くて、ブランケットを何重にもかけてもらいました。

入院

入院病棟は何部屋かあり、そのうちの一つの4人部屋に移されました。
奇跡的に窓側のベッドで空しか見えないものの、ベッドから動けない状態でとてもいい気分転換になりました。

私が入院した病院のルールでは、面会は同時に2人まで。面会時間は確か16時~19時みたいな決められた時間内で、1人までは一緒に泊まれるというものでした。
同室の人達は結構ルール破ってるようにも見えましたが…😂

パートナー用のカウチは分娩室にもあったベッドのように広げられるものでしたが、寝心地の悪い環境で私の代わりに娘の面倒をほぼ全て見てた夫は本当にすごいなと思います…。
私は夫が運んできてくれた娘に授乳するくらいしかできなかったので…😭

初日は娘も全然起きないし、夜は泣いてもさほど大声でもなく、よかったなーなんて思ってました(フラグ)

できれば母乳希望ではあったので頑張ってはいましたが、授乳のタイミングややり方が、いざやってみると全然わからなくてともかく出来ることをやっていました。
ただ、2日めの夜にギャン泣きして何をやってもダメで…夫が助産師さんたちに頼んでフォーミュラ(ミルク)をもらってきてあげたら、やっと満足してくれて大人しくなりました。

途中何度か助産師さんがアドバイスをくれ、2日めの夜にやっと私も娘もなんとか普通に飲ませれるところまでいけたように思います。

娘は授乳後寝落ちが多かったので、危ないとは思いつつ、もうそのまま抱いて私も寝落ちしちゃってました。

病院の環境

部屋は先にも書いた通り4人部屋でした。
他の家庭は聞こえてきた内容からして経産婦ばかりのようでした。

そのうちの一人のママさんは30分で産まれて会陰が裂けちゃったようで、叫びながら入室してきました。痛くて動けないみたいだけど付き添いがいなくて(上のお子さんの面倒見ないといけないようで旦那さんは面会だけ来てた)何かあればナースコールを鳴らすけど、ナースコール鳴らしても全然人が来ないから夜中ずっと鳴りっぱなしでした😂
しかも他の部屋のナースコールが鳴っても廊下中に音が鳴るので、このママさんだけの問題ではないのですが…😂
まぁこのママさんは寂しいのか一日中誰かと電話し続けてもいて、なんなら夜中の3時に電話してることもあって正直びっくりでしたが…笑

あとはシャワールーム。
廊下からほぼ床が続いてるような感じでただその個室にシャワーがついてるだけみたいなのでカルチャショックでした。笑

退院を巡るバトル

私達が入院した病院は、基本帝王切開でも24時間で退院になるところでした。
以前は48時間だったそうなのですが、最近は短くなったようで…

我が家には避けられない階段があるのと、育児もまださっぱりわからないし、授乳もうまくいってなさそう…と早いうちから2泊を希望していました。
2日めの朝に担当助産師さんが挨拶に来た際にその旨を伝えると、担当医師次第だと言われました。
その後来た担当医師に聞いてみると、今日帰ることになってるみたいだけど、担当助産師次第だと言われました(え????)

ただ、この担当助産師ですが、朝イチに現れたきり全く姿を見せないのです…
何度も他の助産師さんに問い合わせたりしましたが全然捕まらず…夕方16時すぎに現れて聞いたところ、頑として帰宅してくださいとのことだったので諦めて帰り支度を始めました。

書類の準備を待つのと、NCTでアドバイス貰ってたので帰宅時に強めの鎮痛剤を用意してもらおうと依頼してたのですが、その後一向に届かず、助産師も全然現れません😂(たぶん鎮痛剤の準備が間に合わなかったようです)
帰り支度をして入院バッグも車に載せて準備万端でしたが、いつまでも帰宅GOの指示がなく待ちぼうけているうちに21時。ナイトシフトの助産師さんが挨拶に来ました。
退院待ちなんだけど、準備出来てる?まぁそもそも帰りたいわけじゃないだけどね…と言うと「じゃあ朝までいればいいじゃん」と😂

ということで夫が荷物を車まで取りに行き(なぜか出産病棟が病院の奥まったところにあるから10分~くらいかかる)もう一泊することができました。

この日の夜は前日よりも助産師さんが頻繁に現れて状況を確認してくれて、ナースコールも前日ほどではなかったです。
本当に、その日のスタッフ状況によるものなんでしょうね…

ちなみに退院の最低条件は、母子の体調もあると思いますが、おそらく立って歩けるようになってるか、シャワーを浴びれたか、トイレも行けるか、食べれているか、等が入っており、さっさと退院してもらうためにこのへんを若干無理矢理にでもやらされてる感じがしましたね…

娘が消えた…!?

後から思い出してゾッとする出来事を書いておきます。

確か二日目の朝かな?(記憶があやふやです)夫に手伝ってもらってシャワーを浴びるように助産師に言われました。
娘はどうしよう…となっていたら「私が見ておくから大丈夫よ」と。
そもそもシャワーも行きたいわけでもないんだけど…と手術跡を心配しながら夫の介助付きで行ったのですが、戻ってきたら娘がいないんですよ…😱

え?どうして!?と焦っていたら、さっきの助産師さんとは別の助産師さんが「あーお子さん預かってるよ!大きな泣き声が聴こえたから見に行ったら誰もいなかったから」と。

え…?あの助産師さんが見ておくよって言ったよね…?と思ったものの私も夫も疲弊してるのでそのまま受け取りました。その後元々見てくれると言った助産師さんは見かけませんでしたね…😠

そして退院

私が入院した病院はなぜか出産後の病棟が駐車場から遠く、娘を運ぶ夫の数メートル後ろをよちよち歩きで進んでいくような状況で(というか夫には多少ペースを合わせてほしかった笑)日本だったらこんなことなかったなーなんでこんな距離を歩いてるんだろう…と思うと自分が可哀想になって少し泣けてきました(笑)

怒涛の入院生活だった

結局2泊したのですが、もう何をいつやったか、何をして過ごしたのか(授乳以外)全然時系列に思い出せないような、あっという間の入院生活でした。

日本の産院とは違って健康であれば大丈夫くらいのケア内容なので(本当にあくまでも病院)あの場に長居してもしょうがないなって感じはしますね…笑

帝王切開の場合、鎮痛剤は絶対積極的に貰ったほうがいい

病院によっては(私の入院したところも)こちらから言わないとなかなか鎮痛剤をくれない場合があります。基本的に4時間サイクルなので、私はもう効き目がなくなる前に夫を派遣してもらってました。おかげでそこまで苦しまずに済みました。
NCTの他のメンバーや知人の話を聞いても、なかなか鎮痛剤貰えなくて痛かったと聞くので、もししっかりくれない場合は積極的にいったほうがいいです。
向こうで鎮痛剤の管理もしているので、複数ある鎮痛剤の中から今飲めるものを持ってきてくれますし、まだ何も飲めないのであれば伝えてくれます。

帰宅時にも強めの鎮痛剤、イブプロフェン、パラセタモールを貰いましたが、帰宅後間もない間はイブプロフェンとパラセタモールをきらさないように4時間間隔で飲んでました。
痛いの絶対いやなので………笑

帰宅後のケアは割りと安心

帰宅してからもまだそんなによくわかってない状態で、不安ななか過ごしましたが、すぐに助産師やヘルスビジターが訪問してくれるので、心配なことがあれば質問できてよかったです。

うちは退院後に体重が出生時より9%減り、少し長めに助産師さんのお世話になりましたが、授乳についてのアドバイスなども貰えましたし、また授乳アドバイス専門の助産師さんも訪問してくれて授乳の姿勢などをチェックしてくれたので助かりました。

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