イギリスへペットと引っ越した話②手続きや書類、ToR申請

渡英

前回、ペットを連れて行く際のルートについて書きましたが、今回は出国前の書類や処置、手続きなどについて書いていきます。

私は渡英準備は実家のある田舎で行ったため、対応に慣れている動物病院もなさそうで、書類の作成や段取りなどについてサポートを行ってらっしゃる動物病院さんへ依頼しました。

書類の準備を行う際にどういったものがどのタイミングで必要か、どういった記載があればいいかなど細かくアドバイスいただけたので、大変助かりました。

都市部でしたら、各種海外渡航用の手続きに精通されている動物病院も多くありそうですね。

過去行かれた方のブログなど拝見してると、動物検疫所も、とても丁寧に案内してくれるようなので、まずは動物検疫所へメールかお電話されてみて、どこまで自分でできるかご判断されてもいいと思います。

入国前の手続きについて

イギリスへの入国は、過去には事前に最低6ヶ月が必要だったそうですが、今はかなり緩和されたようです。

具体的に私達が必要だったのは以下でした。

  • 過去2回分の狂犬病予防接種と、その証明書
  • 混合ワクチンの接種と、その証明書
  • マイクロチップの証明書
    (挿入した際の登録はがきや、ない場合は獣医師に証明してもらう)
  • イギリスの健康証明書フォームの記入
    (入国の24~120時間前に駆虫処置をしたことの記載が必要)
  • EUの健康証明書フォームの記入
    (ほとんどイギリスのフォームと内容は同じでした)
  • 日本側の動物検疫所の予約と書類の提出(出国10日前以降)
  • ToRの申請(関税を免税してもらう手続き→落とし穴ありました。後述)

日本に帰国の予定がある場合など、条件によって準備の内容も変わるようです。
(私達の場合は、帰国の予定はなしで進めました)

直行便で行かれる場合は、依頼される輸送業者からいろいろとアドバイスがあると思います。

準備する書類について

健康証明書(GBフォーム、EUフォーム)

最終的に英国およびオランダで提示する書類は、イギリスの健康証明書とEUの健康証明書でした。

どちらか片方だけで行かれる場合もあるそうですし、移動に余裕がある場合はEU健康証明のみ用意して、ヨーロッパのいずれかで獣医にEUペットパスポートなどを発行される場合もあるようです。

ただ、GBフォームもEUフォームも記載内容はほぼ一緒で、日本で事前に準備できるので、両方ご用意して行かれるほうが楽だし確実なのではないかなと思います。

健康証明書については、各検疫所で通常使用しているフォーマットがあるようで、そちらをもとに書類を準備してもらいました。

その他の書類について

各ワクチン証明書やマイクロチップ証明書については、日本の動物検疫所へ事前に内容を確認してもらいます。

そのうえで、検疫所での検疫日に原本の確認のうえ証明書を作成、EUフォーム・GBフォームと合わせて関連書類を完成させてくれました。

検疫所がすべての書類をまとめて、コピーも2部くれました。結構な分厚い書類です。
これらの書類を航空会社やフェリー会社のカウンターや各入国時に提示しました。

私は検疫所とのやりとりは、サポートを依頼していた獣医師さんがおもに行ってくれたので、細かい部分について、自力でやられる方は検疫所へ相談してみてくださいね。
必要な手続きやフォームなどの準備に時間がかかる場合もありますので、早めに動かれるのがいいと思います。

ちなみに、動物検疫所に提出の書類までがしっかり揃っていれば、オランダも英国も入国はゆるゆるでした。
準備は慣れないことばかりで大変ですが、一回揃えてしまえば、こちらの勝ちです!(笑)

TOR申請について

Transfer of Residence (ToR)の略です。
リンク先は英国政府のToRについての案内ページです。

イギリス国内へ引っ越しをする際に、身の回り品や乗り物など通常関税がかかりそうなものでも事前に申請をしておけば免除されるというもので、ペットもこの対象になります。
もしも事前に行わず税金の支払いが発生した場合でも、後日申請すれば返金手続きも可能なようです。

基本的には申請を行いたい物品のリストをWord等で作成して、オンラインのフォーム(ビザ申請のような。上記リンクの先にあります)経由で申請を行うような流れです。

申請後、2週間~で承認されたかどうかの結果がメールで届き、承認された場合はToRのURN(Unique Reference Number)が記載されたPDFが返ってきます。
例えばペットに限らず引っ越し荷物を郵送する際にも、そのURNを書いていれば税金が免除になります。EMS等を送る際にも記載しました。

ただ、ペットに関しての申請がくせものでして…

an animal health certificate or passport code for any animals you’re bringing to the UK – if you do not have these yet you can still submit an application, but you must provide the certificate or code once you have it

Application for transfer of residence relief (ToR1) – GOV.UK

ToRの申請を行う際、健康証明書かペットパスポートの提出が必要になります。
ただし、用意が出来てない場合は用意が出来てからで大丈夫、と政府サイトには書いてあります。

イギリスの健康証明書を完成させるためには「入国の24~120時間前に駆虫処置」をした記載がないといけないので、それで安心しきっていたのですが…
いざ渡航の1か月くらい前に他の荷物と一緒に申請しようとしたところ、連れてくるペットが1匹の場合は今、健康証明を提出してくださいね!となり入力フォームを進められず、申請が出来ませんでした。

健康証明をどうにか早く出せないか…といろいろと頭を悩ませたのですがそういうわけにもいかず、とりあえず物品リストに

1 dog – breed: Shiba Inu, chip number : xxxxxxxx, name: Sasuke health certificate pending

といったように記載をしておきました。

2週間弱ほどであなたの申請通りましたよ!とURNの連絡がありました。
この時点ではペットの申請はおそらく通っていません。が、いざとなったときには、一応届け出はしてるよ!と言えるかなと踏んでました。

結果が出るまでの期間は翌日~1か月と状況によるようで、できるだけ余裕を持って申請されることをオススメします。

1回めの申請でなんとなく承認のゆるさを察知した私は(笑)とりあえず駆虫処置が終わって獣医師のサインを貰ったらそのまま最後の署名を記入して提出してしまおうと思い、実際そうしました。

厳密には、動物検疫所で確認の上最後のサインをする流れのようなので、原本はそのままにして署名をするページ(フォームの最後のほう)をコピーして署名後スキャンして、それでフォームからamend(修正)申請を行いました。

イギリス入国の4日前にamend申請を行い、到着した日に申請が通りました。
ギリギリ…というか間に合ってないです(笑)

ただ、私の場合は業者を通さず、ペットと一緒に並んでパスポートコントロールを通っているせいか、港からの入国のせいか、特に税関などの手続きもなく、心配した課税などは全く発生しなかったです。

というか港…Customあったの…?というレベルです(笑)
オランダもCustomは素通りしました。

所感

書類の準備については、条件やタイミングでいろいろと変わって来そうなので、上記はご参考までに。

すべて終わった今だから、冷静にいろいろ書けますが
この書類に関連することは当初、専門用語だらけだし、右も左もわからず本当に混乱続きでした。

また、知見のある獣医師さんにサポートをいただけたので、渡英準備のストレスが大幅に緩和出来たと思います。

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